展覧会

《愛6歳》(1958年)

第6回企画展

絵描きの一人娘

9月7日~2020年1月25日 毎週土曜日

 

 

永井潔に長女・愛(当館館長/劇作家・演出家・二兎社主宰)が生まれたのは1951年。新憲法と共に発足した日本美術会の創立メンバーとして、自由で民主的な美術の発展を目指し奔走していた頃でした。‘50年に藤田文子と結婚、35歳で初めて「父親」になった感慨は『愛の顔』(1952年/コンテ)、『愛100日目・愛5ヵ月』(同/鉛筆)、『眠る愛』(同)などの素描から今も瑞々しく伝わってきます。じっとしているのが苦手だった愛はモデルになるのを嫌がり、潔はラジオを聞かせたり、なだめたりしながら、成長する娘を描き続けました。『腰かける愛』(1957年/鉛筆)、『あまたれじょうちゃんピアノがじょうず』(1957年頃/油彩)、『愛6歳』(1958年頃/油彩)は幼児期のあどけない表情を、『日傘』(1961年/油彩)、『机に向う愛』(1962年/鉛筆)、『絵を描く愛』(1963年頃/鉛筆)は思春期にさしかかる内面の変化をとらえています。成長するにつれ愛がモデルになる機会は減り、中学時代に『13歳』(1965年/水彩)、10代後半から20代にかけては、『少女』(1968年/油彩)、『浴衣』(1970年頃/木版)、『久留米絣』(1978年/油彩)を残すのみですが、30代を迎えた愛が演劇活動を本格化させると、父と娘には表現者としての新たな関係が生まれました。娘の舞台を欠かさずに見た潔は、『ほほづえ』(1980年代/木炭・墨)、『夏』(1983年/油彩)、『浴衣の女』(複製1987年/水彩)、『マリンルック』(1980年代後半/木炭・水彩)、『黒い服の愛』(1994~2002年頃/水彩)と、年齢を重ねる娘の姿を追っています。互いの作品を辛辣に批評し合いながら、父と娘は独特の信頼関係を築きました。愛を描いた最後の絵に潔は「a playwright(劇作家)」(2002年/水彩)と書き入れています。展示作品はほかに、『母と子』(1952年/鉛筆)、『オルガンの稽古』(1957年頃/コンテ・水彩)、『オルガンを弾く愛』(1959年頃/油彩)、『人形を背負う愛』2点(1956年頃/コンテ)、『みかんを食べる愛(1959年頃/コンテ)、『みかんをむく愛』(1959年頃/コンテ)、『猫を抱く愛』2点(1963年頃/鉛筆)、『浴衣』(2007年/ガラス絵/木版の『浴衣』(1970年頃)がモチーフ)など──父が娘に向けた51年間の眼差しです。

 

展示室1の常設作品のコーナーでは、永井潔の代表作が常時ご覧いただけます。

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※年末は12月28日まで、新年は1月11日から

同時展示

同期間中、館内1F「絵のあるカフェ」では『日本のとんち話』(1970年/偕成社)の挿絵原画を展示します。前回展示の『日本のわらい話』に引き続き、人間や動物の動きを瞬息でとらえた、永井潔のお茶目な「動体視力」をお楽しみください。

​過去の展覧会

第1回企画展 永井潔アトリエ館オープン記念

​永井潔のすゝめ

2017年4月​15日~7月29日

アトリエ館のオープン記念となる本展では、評価の高い人物画を中心に、1940年代から2000年代にかけての主要な作品をご紹介いたします。

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