 新日本出版社 1970年
永井の主著の一つ。出版後、活発な論争を生んだ本書は、反映論による芸術論の新たな展開の試みとして注目される。著者は、芸術を労働からの分化・派生として、つまり、労働→造形的実践→形象的認識の分化・形成の発展的過程においてとらえ、形象を形(表現手段)による象(対象)のはあくとみなす。本書は「客観美」批判、芸術の呪術起源説の批判、芸術の表現=実践説の批判などの重要な論議を含む。 |  新興出版社 1972年
不健康なもの、非理性的衝動的なものに人間が浸蝕されつつある現代。今こそ人間は真に美的なものを求めている。そして、芸術創造、芸術運動のありかたに関しては、個々の芸術家に解答を迫っていると言えよう。
日本美術会の中心的メンバーとして、創作・理論の両面にわたって活躍した著者が、“さきに出版した『芸術論ノート』のそのまたノート”と自評した一つのラフ・スケッチであり、エッセンスである。 |
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