展覧会

第8回企画展

92年の自画像

3月6日〜2022年1月29日 毎週土曜日

8月は休館。年末は12月25日まで、​新年は1月8日から。

状況により会期が変わる場合があります。

自画像でたどる永井潔の生涯。​幼少期から晩年の作品まで50余点を一堂に!

かつて永井潔は自画像について、「近代の自我意識の目覚めと歩調を合わせて発達したもの」「自分をほんとに批判的に客観視できるのは、近代的に解放された自由な個人だけ」(『月刊ボザール』1974/9月号)と書きました。「そんなややこしいことはさておき、人物画の勉強に一番てっとり早く一番便利なのが自画像です」(同)とも。そして、永井自身も92年間の生涯において、数多くの自画像を描きました。

初期のものとしては、『11歳の自画像』(1928年/鉛筆)、二科技塾研究所で絵を学び始めた19歳頃の『あごに手をやる自画像』(1935年頃/油彩)など5点。三度にわたって兵役召集を受けた戦時下の20代は、除隊帰京時に描いたと思われるものが多く、『23歳の自画像』(1940年/油彩)、『腕組みする自画像』(1943年/油彩)、『ヘアバンドをした自画像』(制作年不明/油彩)、『軍帽と煙草の自画像』(制作年不明/油彩)ほか、油彩、水彩、素描作品が総数25点と突出、いつ来るか知れぬ次の召集を念頭に、自己と向き合い続けた青年の心境が想像されます。

戦後を迎えた30代は、日本美術会の結成と発展に向けて羽ばたく一方、結婚、長女の誕生、離婚と、私生活でも変化の多い日々でした。30代前半と思われる『杏色のシャツの自画像』(制作年不明/油彩)、『35歳の自画像』(1952年/油彩)などが、次第に重い責任を担っていく自分を、若さの残る表情の中に描いています。

40代は、『煙草の自画像』(1958年/鉛筆)が反骨の精神をとらえて印象的。一方『49歳の自画像』(1966年/油彩)は、成熟した穏やかさを感じさせます。

50代以降、次第に自画像は少なくなりますが、これには、芸術論や評論、小説などの執筆に時間をとられたことも影響しているでしょう。しかし、『庭の見える自画像』(1967年頃/油彩)、『絵を描く男』(1973年/油彩)、『65歳の自画像』(1981年/油彩)には、絵筆をとり続ける自己を客観視しようする意志が、なお強く働いています。

最後に描いた自画像は『90歳の横顔』(2006年/鉛筆)。自らの老いをありのままに描き出そうとする中で、永井潔は人生のあらゆる失敗を肯定する気になったのではないでしょうか。すべてのことに意味があった。この絵は静かにそう語りかけてくるようです

  同時展示 

同期間中、館内1F「絵のあるカフェ」では、「キヨシ君、よくできました!」と題して、永井潔の幼少期の絵やコラージュをを展示します。身近な人や物のスケッチから赤穂義士の姿まで、目に触れた世界を絵で捉えたいと願った少年が、日を追い、年を追って表現技術を高めてゆく過程をお楽しみください。

◀赤穂義士 堀部安兵衛

第1回企画展 永井潔アトリエ館オープン記念

​永井潔のすゝめ

​過去の展覧会

2017年4月​15日~7月29日

アトリエ館のオープン記念となる本展では、評価の高い人物画を中心に、1940年代から2000年代にかけての主要な作品をご紹介いたします。

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